尿路がんのフォロー
膀胱がん
尿路がん(腎盂、尿管、膀胱)のなかで、膀胱がんが最も死亡数が多く、7割以上を占めます。罹患数でも膀胱がんが一番多く、尿路がん全体の約半数を占めます。膀胱がんは、膀胱鏡検査を行えば、ほとんどは診断がつきます。尿にがん細胞が落ちているかどうかを調べる尿細胞診も有効な検査です。膀胱がんの外科的な治療には、大きく分けて2つの方法があります。一つは、腰椎麻酔をかけて膀胱鏡で腫瘍を観察しながら、がんを電気メスで切除する方法(経尿道的膀胱腫瘍切除術:TUR-BT)、もう一つは、全身麻酔下に膀胱を摘出する方法(膀胱全摘除術)です。
前立腺がん
前立腺がんの発がんメカニズムは明らかになっていませんが、食生活の欧米化や加齢、男性ホルモンの影響があると言われています。前立腺がんは進行が遅く、またがん特有の症状が無いため、がんが大きくなって膀胱や尿道を圧迫し、排尿トラブルや血尿などが出るようになって初めて気づくことが多い疾患です。前立腺がんは進行すると、がん細胞が骨やリンパ節に転移しやすく、稀には下半身麻痺などの症状が現れます。そのため、自覚症状が現れる前に発見し、治療することが大切です。定期的にがん検診(PSA検診)を行うことをお勧めします。
前立腺がんの治療法には、手術、放射線治療、ホルモン療法、また特別な治療をせずに経過観察をしながら様子をみるPSA監視療法などがあります。前立腺がんの治療を考える上では、診断時のPSA値と腫瘍の悪性度(グリーソンスコア)、病期診断に基づくリスク分類、患者さんの年齢と期待余命(今後、どのくらい生きることができそうかという見通し)、および患者さんの病気に対する考え方などがポイントになります。
腎臓がん
腎臓がんは初期の段階ではほとんど症状が現れませんが、腎臓にできたがんが直径5cmを超えた頃から、何らかの症状が現れ始めます。「腹部の疼痛」「血尿」「腹部のしこり」が、腎臓がんの三大症状と言われています。腎臓がんは、以前は見つけにくいがんと言われましたが、超音波検査やCT検査など検査技術の発達により、1cm大の小さながんも発見できるようになっています。腎臓がんの検査には尿検査、超音波検査、CT・MRI検査、血管造影検査、腎盂尿管鏡検査などがあります。腎臓がんの治療法には外科療法、腎動脈塞栓術、免疫療法、化学療法、放射線療法などがあります。